世田谷一家殺害事件考察(6) アオキノブオとアンドウの二人組
アオキノブオとアンドウの二人組が,事件の鍵を握っているように見える一方で,どうも解せないのが,この二人組があまり宮澤みきおさん一家のことを知らない点です。今回もアオキノブオとアンドウについて考察してみます。前回は,世田谷一家殺害事件考察 (4)アオキノブオと興信所 - シトロエンの事件簿。
アオキノブオとアンドウは,宮澤家の知人ではない
興信所に関する調査結果より,アオキノブオとアンドウは宮澤家に関する知識がほとんど無いことが分かります。
1.住所を知らない(世田谷区であることすら正確に知らない)
2.家族構成を知らない(子供の年齢や性別を知らない)
3.その割に,トータル20万円を支払った。(住所調査費:15万円,住民票取得費:5万円)もちろん,思ったより高いと言うことで8月15日〜10月23日までの間,支払いを渋っていたが,最終的には支払った。でも,本籍付きの住民票取得に対する追加5万円は支払わなかった。
4.自力では住所も調べられない
▼1.2.より分かることは
住所・家族構成を知らず,みきおさんと泰子さんの名前だけを知っている状態であり,宮澤家が何区に済んでいるかも知らないことから,「祖師谷公園拡張のための東京都による土地買い上げ」の件を知らないことが分かります。(もし,祖師谷公園の隣であると知っていれば,住所ぐらいすぐに割り出せるはずなので。)
当然ながら,
・宮澤家の知人ではない
・宮澤家に出入りした経験がない(少なくとも10月23日までは)
・宮澤家と取引があったわけでもない(少なくとも10月23日までは)
・不動産関係者でもない(祖師谷公園拡張について知らないことから地上げ関係ではない)
といったことが推測できます。
▼4.より,
自力で住所も調べられないということから,債権回収などの業務に携わった経験はないということが分かります。つまり,ヤクザのようなプロのアンダーグラウンド集団と言うよりは,ずぶの素人に近いということです。恐らく当初は自力で調べようとしたが,調べきれなかったと言うことでしょう。
▼3.より,
高額な謝礼を支払ったが,最終的に本籍付き住民票取得(費用:5万円)は諦めていることから,情報は喉から手が出るほど欲しいが,金に余裕があるわけではない経済状況だということでしょう。また,本籍の有無はさほど重要ではないと判断したか。
アオキノブオとアンドウの二人組は一体何者なのか?2000年12月にこの二人組に似た目撃情報が付近の住民から寄せられていることから,宮澤家の住所を知った10月26日以降にさらに宮澤家の周辺を嗅ぎ回っていたのは間違いないでしょう。何せ,二人にとってはなけなしの20万を出費しているわけですから。
しかし,一方でこの二人組以外にも複数の人物が同じタイミングで住民票を取得している(世田谷一家殺害事件考察(5) 強盗の可能性 - シトロエンの事件簿)ために,宮澤家を食い物にしようとした魑魅魍魎(複数)の一部であるとしか,現時点では言えません。
(住所を初めて知り得た)10月26日以降の目撃情報とアオキノブオ・アンドウの整合性を検証していくことが,捜査の足がかりになることでしょう。
まず、最初に「アオキ」と名乗る人物が、宮沢さんの調査を依頼してきたのは、二〇○○年八月十五日のこと。NDの表示は非通知だった。
604 :名無しピーポ君:2006/10/24(火) 18:44:59警視庁に提出された調査データ
*八月十五日十二時十九分
《対象者はミヤザワミキオ。四十~五十歳ぐらい。妻の名はヤスコ。子供は二人で年齢性別はともに不明。
住所は都内在住で杉並?
世田谷?詳細は不明。
調査内容は住所。在住者確認とFA(家族)構成である。
依頼人はトクメイ希望。
調査金十五万円の前払いを条件に受。振込み名義はアオキノブオ》 しかし、この時は「アオキ」から入金はなく、調査は実行されなかった。
次の連絡は、二ヶ月後。
*十月二十三目十三時〇七分に着信。今回はNDに番号が表示される。048・XXX・○○○○。
《男はアオキノブオと名乗る。声は四十~五十代。外国人のイントネーションではない。調査依頼は八月と同じ。世田谷、杉並在住の宮沢みきおの住所。
【A銀行に十五万円の振込み確認。口座名義はフェイス(偽名と思われる)。連絡先は048・△△△・XXXX】
十月二十六日十三時に再TEL入る。調査結果をQSP(報告)すること》
このA銀行への振込みに際して書き込まれた連絡先の電話番号と、事務所のNDに表示された番号は、市外局番が同じだが、後はまったく異なる。
振込み時の連絡先電話番号を小誌は調べたが、その番号は、事件とは無関係であることがわかった。
さらにNDに表示された電話番号を追跡していくと、発信場所はさいたま市内にあるインターネット・カフェのものであることが判明した。
このカフェと宮沢さん事件との接点は、今のところ見当たらず、なぜ、この店の電話が利用されたのかは、わからない。
調査ファイルに戻ろう。
宮沢さんの住所の調査結果を問い合わせる電話は、依頼の三日後に入った。
*十月二十六日十二時四十九分に着信。NDの表示は「公衆電話」。
《「アオキ」と名乗る男からTEL。しかし、声は前回と異なり、明らかに若い。日本人である。不審感を持つが、二十三日に報告を約束した宮沢みきおさんの住所のみを報告する》
宮沢さんの住所は当時、電話帳に掲載されていなかったが、事務所は過去の電話帳が検索できるCD-ROM(システム・ビット社製の九八年度版)を使用し、すぐに割り出しに成功。
このCD-ROMデータの一部は後に警視庁に提出されている。
605 :名無しピーポ君:2006/10/24(火) 18:46:44《アオキと名乗った明らかに別人の若い男は、続けて住民票が欲しいと依頼。この時、省略版(本籍の入っていないもの)を別注した。
十月二十八日十三時に来社アポがこの若い男から入る》
アオキと名乗った若い男とは、十月二十八日、調査料と引換えに宮沢さん夫妻の住民票を渡す手筈になった。ところが、その二十八日、一本の電話が入る。
*十月二十八日十二時三十六分 NDに電話番号が表示される。番号は048・●●●・XXXX。
《電話の主は二十六日に「アオキ」と名乗った若い男。だが、今度はなぜか、「アンドウ」と名乗った。やはりミヤザワミキオの本籍が入った住民票がほしいと依頼してく
る。「追加の調査になるので別料金がかかります」と説明》
「アオキ」が「アンドウ」に変わったが、調査費用を支払うというのであれば、事務所にとって大きな問題ではなかった。
小誌はこの時、ナンバーディスプレイに残された番号を追跡した結果、旧与野市のファミリーレストランの玄関に設置されたピンクの公衆電話であることをつきとめた。
設置場所の店などが契約するピンク電話は受信も可能だ。ピンク電話からかけると、「公衆電話」ではなくその番号が表示される。
*同日十三時七分
《男が約束の時間に来社。しかし、電話の若い男ではなく、年齢は四十~五十歳。メガネにスーツ、マフラー姿》
さらにここで、注目すべき記述がある。この来社した男について、ファイルにはこう記されているのだ。
《もしかして、一月十九日にGTH(スタンガン)を販売したアオキではないのか?横髪を整髪剤で固めた横柄な感じの男。
しかし、今度は「アオキ」ではなく、「アンドウ」と名乗る。どういうことなのか?事前に電話を寄越した若い男とこの男とはどういう関係なのか?》
この来社した「アンドウ」に対して、調査事務所はこの時、調査料(住民票代行取得費用として)五万円の領収書を発行し、その控えがファイルに張りつけられている。
この領収書の宛て先も「安藤様」と記された。アンドウは、事務所が入居しているオフィスビルから数十メートル離れた私鉄ガード下に、白っぽい車を駐めていた。
この車の助手席側に乗り込み、アンドウは4号バイパス方面へ消えた。