シトロエンの事件簿

未解決事件を推理します。特に世田谷一家殺害事件に注力しています。

世田谷一家殺害事件考察(12) ローダミンの謎

久しぶりの更新となりました。今回はローダミンについて考察します。

ローダミンとは染料の一種であり,

・犯人が犯行時に脱ぎ捨てたラグランシャツ

・ヒップバッグ

・宮澤家のガレージに置かれていた引き出しの底

の三カ所から検出されています。

 

■警視庁情報

警視庁の公開している情報に蛍光染料ローダミン3種類が揃うところを探しています,という情報提供呼びかけがありますが,単に「揃う」だけなら一部の業界では珍しくないと感じます。(といっても,入江杏さんのご主人の業界を指しているわけではありません。もっと広く普及しています。)

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■現物写真

現に私もローダミンにアクセスできる立場であるため,ローダミンを実際に試料びんに入れて溶媒を作ってみました。

もしローダミンがどういう試料がご存じない方は,この「粉の状態の黒っぽい粒子」「溶液に溶かした状態の蛍光発色」をご覧いただき,どこかで見た,あるいは誰かが使っていた,ということがないか記憶を遡っていただきたいと思います。

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私は蛍光オレンジのローダミン6G,蛍光赤紫のローダミンBのうち,赤紫のローダミンBの方を見たとき,パイロット社の万年筆のインクを連想しました。

INK-50-TT

iroshizuku<色彩雫> | 筆記具 | 万年筆 | インキ | 製品情報 | PILOT

 

もちろん,私はパイロット社のインクの成分を知らないですし,発売の時期から考えてもインクの発売時期の方が後なので無縁だというのを知っていますが,このように連想を遡ることで,怪しい人物・犯人に繋がる業界が呼び起こされないかを期待しているわけです。

 

もう一つの蛍光オレンジのローダミン6Gは,極めてけばけばしい蛍光色を発します。何か工芸品やオリジナルシャツ,グッズ等で使っているようなケースがありましたら,警視庁にご連絡いただければと思います。

 

■点と線

細かな遺留品にこだわるのは,犯人から遠ざかる恐れがありますが,もう少し考察を進めてみようと思います。一番の謎はやはり,「宮澤家と犯人の接点」ということになろうかと思います。

なぜ,宮澤家のガレージの奥と犯人の残していったシャツ・ヒップバッグが結びつくのか?大きく分けて二つの方向性が考えられます。

① 偶然の一致

全くの偶然で宮澤みきおさんが趣味でローダミンを使い,犯人が仕事でローダミンを使ったということも可能性としては考えられます。が,ネックは『3種』という点です。3種揃うのはやはりありえないと考えられます。気になるのは,それ以外の染料(ブルーなど)が同時に見つからなかったのか?ですね。

② 宮澤みきおさんと犯人に交流があった

やはり警視庁が考えているのはこの筋だと思います。交流が深いものだったのか,単に物を授受しただけの関係だったのかは分かりませんが,接点があると仮定した方が『3種のローダミン一致』の謎は納得しやすいです。

③ 犯人が意図的に残した

一番気をつけないといけないのが,この可能性ですね。宮澤みきおさんの所有するローダミンを勝手に使って遺留品2種を偽装した。その目的は,ローダミンから自分が割れる心配が無く,あさっての方向に捜査の網を広げさせることを期待して,ということになるでしょう。

ただし,この仮説の弱点は,ローダミンがごく微量であり,警察側もなかなか気付かない恐れがあり,捜査攪乱の効果があまり期待できない点です。(実際,指紋捜査に追われてその他遺留品調査はおろそかになっていました。)

 

現時点では②が濃厚ですが,それならば,なぜ犯人は黒いハンカチを三角形に折り曲げてで顔を隠そうとしたのか,という点が矛盾として生じてきますね。遺留品は考えるほどに矛盾を生むので,また後ほど頭を冷やして考えたいと思います。

 

事件から間もなく15年が過ぎようとしています。記憶の風化を防ぎ,犯人逮捕にこぎ着けましょう。